CONTENTS people#25 小山千夏

アフリカのハギレが生んだ思いがけないギフトの輪

巻いたり敷いたり、身に纏ったり、包んでみたり。 アフリカで日常的に使われているカンガ。
鎌倉で暮らすアーティストの小山さんから、色鮮やかでエネルギッシュな色と柄を持つこの布の魅力がどんどんつながり、広がっていく。

どうしようもなく布が好き。
ことあらがいようもなく惹かれるのは、甘くロマンティックなテイストより、もっと個性に富んだ、強い感じのもの! そんな小山さんと、アフリカの民族布「カンガ」との(運命的な)出会い。それは、ある日ごひいきにしている鎌倉のギャラリーカフェ「Atelier Kika」から、「カンガ展」のお知らせDMが送られてきたことから始まった。見たとたん、小山さんはぎゅんと心を奪われた。「もう、あり得ないような感じだったんです。柄も模様も、色使いも色合わせも。私はどこの国の布も好きなんだけど、カンガはどことも似ていない新鮮さがあって」。

アフリカ独特の、鮮やかで大地に根付いた力強い美しさ。それをひしと感じるこの布のことを実際に目の当たりにし、またアフリカの手仕事ものをセレクト&プロデュースする「オンプリュ」の中島さんから、いろいろ知るようになった。

現地の人たちは身に着けたり、何かを包んだり、敷いたりと、さまざまな用途で使っていること。また選ぶのは色や柄よりも、そこに書かれている「カンガセイング」と呼ばれる、格言のような言葉が大切で、それを身に纏うことが、彼らの自己表現にもつながっていること。そうしてカンガのこと、またアフリカの文化そのものに興味を抱くようになった。

写真 左 中央・左/カンガの主なモチーフとなっているのは、フルーツや鶏、ろうそくなど、生活の身の回りにあるもの。中には、自分が欲しいものの象徴として、テレビや携帯電話柄なども(笑)。写真 中央 右/子ども用のパンツのポッケやパイピングに使うことで、絶妙なポイントに。写真 右/カンガのハギレで作ったワンショルダーバッグ。内生地が別の模様の布になっており、チラリと見えるのがかわいい。 写真 左 中央・左/カンガの主なモチーフとなっているのは、フルーツや鶏、ろうそくなど、生活の身の回りにあるもの。中には、自分が欲しいものの象徴として、テレビや携帯電話柄なども(笑)。写真 中央・右/子ども用のパンツのポッケやパイピングに使うことで、絶妙なポイントに。写真 右/カンガのハギレで作ったワンショルダーバッグ。内生地が別の模様の布になっており、チラリと見えるのがかわいい。

さらに「どんどん新しいものが出てくる」という種類の多さも、“見つけ好き”の小山さんにとって魅力的だった。「急に何十枚も買えるわけじゃないから、1枚とか2枚。ほんっとに大変ですよ。最後にはなぜこれを選んだか、もはやわけが分かんなくなってくる(笑)」そこで中島さんから、おまけにと渡されたのが、他の荷物の梱包材代わりに詰められてくるという、色も形もとりどりのハギレ。これをどっさりとプレゼントされ、小山さんは卒倒するくらいうれしかったという。「パターンではなく一枚でひとつのモチーフだったり、格言が入っているものだったりするので、ハサミを入れるのが緊張するなと思ってたんです。柄の出方も違ってきますしね。でも、これなら使いやすい!」。

一枚のハギレから、みるみるアイデアがふくらんでいく。布の取り方や、異なる柄を縫い合わせ方によって、また違った印象になる。このほど幼稚園に通い始めたひとり息子、はるくんのお着替え袋や防災ずきんなどの入園グッズもカンガで作った。さらに友人知人に贈る、ちょっとしたおすそわけやギフトにも活用するようになった。「色がハッキリしてるから、小さくてもアクセントになりやすい。ピリッとスパイスのような効果になるんです」。そうして人の目に触れることで、いろんな人に「これ何?」聞かれることもたびたびあるという。

アフリカの人が不要なものとして扱っていたカンガのハギレ。これが海を越えて、思いと工夫を凝らされ、さまざまな人の「きっかけ」となっていく。

そう。こんな思いがけない「ギフト」の形もあるってこと。

「カンガ」を使ったギフトアイデア"/ 「カンガ」を使ったギフトの包み方

「カンガ」を使ったギフトの包み方 いろんな大きさをした正方形の切りっぱなし布をあらかじめ作っておけば、このようにフルーツを包むだけでも、充分なギフトになる。またこの時の柄のとり方ひとつでもセンスを感じさせるから面白い。
自分で手に入れて、作ってみたいという人は、「オンプリュ」のウェブサイト(http://enplus.jp/
もしくは、逗子にある根本きこさんのお店「coya」などで販売中。

写真丸中/カンガを細く切ってリボンとしても活用するのも、小山さんがよく使う手。シンプルながら、ひときわおしゃれでインパクトのあるラッピングに早変わり

小山千夏

小山千夏 (こやま・ちなつ)

鎌倉在住。全国のカフェや雑貨店での展示会のほか、ディスプレイや商品開発などを手がける。主な著書に『小山千夏のノスタルジア~古くて愛おしいものたちと暮らす』(主婦と生活社)など。フェリシモの雑貨カタログ『kraso』では商品開発も。またフェリシモのウェブマガジン「aie (アイエ)」では、日々のできごとを綴ったブログ「ホームメイド」と、楽しく愉快なゲストと繰り広げるトークとワークショップが好評連載中。

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