CONTENTS people#16 こめたび×Comete

日本一のごちそう、おにぎりを求めて

 ふだん食べるものは、どんな道を辿ってきたのだろう。本当の「ごちそう」とは何だろう。 その手がかりを求めた先は、秋田県の水田地帯。 農業を営む金澤一男さんを訪れたのが、おにぎりユニット「Comete」のひとり、幅真実子さん。 お米の作り手と握り手の出会いは、食を知る旅に広がりを添えた。

日本食に欠かせないお米。しかしそんなお米にまつわる事情を知る機会は、ほとんどない。「食の危機が叫ばれているけれど、どうすれば良いかがわからな い……そんな時、秋田の方々に出会ったんです」。今回の案内役を務めた、お米と人とを繋げる「こめたび」主催者のひとり、星加ルリコさんは話す。お米を袋 に詰める作業までも農家の仕事の一部であると思っていたほど、当初はお米に対して無知だった。しかし秋田のこだわり農家によるお話と、その証明である彼ら のごはんの別格ぶりに開眼。消費者と農家をお米で結ぶことを目的とした「こめたび」をスタートさせることとあいなった。

今回「こめたび」の協力でおにぎりユニット「Comete」が訪問したのは、限定米作りに尽力する農家のひとり、金澤一男さん。ふだんの仕事でお米と関わりながら感じる、それぞれの思いを語り合った。
「昔の人たちが長生きするのは、添加物のない良質の食事を食べ続け、内臓が丈夫なため。なのでみなさんの身になるものを精魂込めて作っています」と語る金澤さん。水と土と太陽などの“自然力”と、農薬化学肥料を一切使わない“合鴨農法”によるこだ わりの米作り。金澤さんの手による「あきたこまち」がツヤツヤに炊きあがると、早速エプロンを身につけた幅さんは、ふだん通り三角に握り、食べてみた。その第一声 は、「甘ーい!」。おかずなしでも充分ごちそうになる、絶品だったようだ。 「出産を経て強く感じたのは、“ちゃんとした食べ物が実は少ない”ということ。そんな時、一番身近なお米の良さに気付くようになりました」と話す幅さんは、いつ、ど こで食べてもおいしく、いろんな可能性を持ったおにぎりならではの魅力に着目。おにぎりユニット「Comete」を結成した。「こうして生産者の方と話すきっかけができ るなど、おにぎりを媒介とすれば人と楽しくつながれる。重要なコミュニケーションツールです」と笑顔を見せる。 健康とおいしさにこだわった農家の思いを感じて欲しい。まずは「川で遊びたい」といった気軽な気持ちで、旅行がてら。そんな“お米の旅”について語り合う3人の会話 は、課題と希望に満ちていた。

こめたび

こめたび

秋 田県で作られる“こだわりの米”を産地直送で購入者に送る、鈴木絵美さんと星加ルリコさん二人が運営する会社。発足してからまだ一年余りにもかかわらず、 確実にその存在感を示しつつある。また、農家に訪れ、地域に宿泊できるツアーも開催している。

金澤一男さん

金澤一男さん 

秋 田県鹿角市で農業を営む。『こめたび』が取引をする七軒の農家のうちの一軒。50歳を過ぎてから転職し、農業を始める。食に関することから自然についてま で、広範囲の知識と知恵を持つ、歩く百科事典的人物。人望も厚く、『こめたび』の星加さんは「こんなに教えてくれる人は今までに会ったことがない!」と大 絶賛する。

Comete(こめて)

Comete(こめて)

  幅真実子さんと尾原亜希子さんによるおにぎりユニット。“コンビニ弁当ではなく、ちゃんとしたものを食べたい”と思ったことがきっかけとなり、発足。撮影 の合間に手作りおにぎりを差し入れたところ評判となり、注文されるように。パーティーへのケイタリングやイベント参加、雑誌連載なども。

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